群集心理 (ギュスターヴ)
心理的群衆とでもいうべきこの集団では、個人の感じ方や考え方、行動の仕方が孤立していた時とは全く異なる 1. 群衆中の個人は、大勢の中にいるだけで不可抗的な力を感じ、本能のままに動く 2. 精神的感染 : 群衆においては、感情や行為が感染しやすい 3. 被暗示性 : 群衆中の個人は、自分の行為を意識せず、ある暗示を受けると何らかの行為を遂行しようとする 催眠術師の掌中にある被術者の幻惑状態のよう (脳の作用がマヒさせられ、無意識的活動の奴隷になって催眠術師に操られる) 衝動的で、動揺しやすく、昂奮しやすい
犯罪を行いかねない一方で、単独の個人よりもはるかに高度な無私無欲な行為も行いうる 群集は心象 (イマージュ) によらなければ物事を考えられず、心を動かされない 群集の想像力を動かすのは、事実そのものではなくて事実の現れ方 言葉によって群集に働きかけるには、その時期の群集にとってその言葉がどんな意味を持つのかを知る必要 言葉は生きている
同じ社会でも、同じ言葉が様々な社会層にとってそれぞれ異なる意味を持ちうる ラテン人にとって、民主主義という言葉は、国家の意志や創意の前に、個人の意志や創意が消滅することを意味する